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二日続けて地附山 733mへ (長野県)

2025年5月30日(金)、31日(土)


photo1キャロットケーキ
川の立体交差を通って買い物へ

30日、朝から雨だ。昨日山から帰った途端に降り出した雨が続いている。せっかく神奈川から友人が来ているのに、今日は山へ行けそうにない。午前中は積もる話をしながら買い物に行ったり、ビデオでバレエ鑑賞をしたりして過ごしていたが、午後からは雲がなくなってきた。ちょっと散歩に行ってこようか。

家から少し歩けば地附山の麓の花散歩ができる。夫が朝散歩で見つけてきたサイハイランもそろそろ咲くのではないだろうか。「ちょっと散歩してくるね〜」と、友人と二人歩き出す。

photo2サイハイラン開花
サイハイラン開花

photo3ヒメフウロ
ヒメフウロ

目的のサイハイランはやはり咲き始めていた。近くにあったギンランも見てみよう。花はもちろん終わっているだろうが、実が膨らんでいるかもしれない。しかし、茂った草の中を二人で探してみたが、見つけられない。周辺にはヤブヘビイチゴの実がたくさんあり、ヒメフウロが咲いている。

photo4全体に光沢があるヤブヘビイチゴ
全体に光沢があるヤブヘビイチゴ

photo5ニセアカシアの花の道
ニセアカシアの花の道

かなりしつこく探して諦めたが、悔しいので、地附山の中腹のギンランの様子を見てこようかという話になった。すでに3時を回っているから公園から登っても降りる時には閉園になっているだろう。駒弓神社に降りてくれば良いと、登り始める。

公園口から登り始めると道が白くなっている。ニセアカシアの花が一面に散り敷いているから、花の絨毯だ。わぁ〜と言いながら花の道を歩いていると園内のアナウンスが聞こえてきた。4時のお知らせだ。閉園まで30分ですよとアナウンスしている。もう夏至に近くなったこの頃は日没が遅いので、ありがたいことにまだ明るい。

photo6地附山山頂で
午後 4:45 地附山山頂

photo駒弓神社へ降りる道
駒弓神社へ降りる道

私たちはまずギンランを探す。もう花が終わっているのは承知の上、実が膨らんでいる様子を見て先へ進む。ベニバナイチヤクソウが数個の花を残しているのを見つけ、嬉しくなる。ジンヨウイチヤクソウが咲き出した。

photo7タンナサワフタギ
タンナサワフタギ

そして、昨年は咲かなかった場所にサイハイランが蕾を伸ばしているのを見つけた。葉はなくて蕾が5本立っている。咲くのが楽しみだ。見上げれば純白のタンナサワフタギが開き始めているのも嬉しい。 山頂から見る飯縄山には雲がかぶさっているが、前日行った斑尾山がくっきりと山容を見せていた。


翌31日は友人が午後の新幹線で神奈川へ帰る日。この日は山歩きができないかなと思っていたが、朝から明るい空模様。昨日は駆け足だったから、もう一度ゆっくり地附山に行ってこよう。公園の駐車場まで車で行けば、お昼までに帰ってくることができるだろう。

白い道に差し掛かったら、「あ、たぬき」と友人。見るとテンのようだ。斜面を登り、森の中を横切っていく。こちらを見ながらゆっくり歩いていくが、望遠の効かないカメラで追っても木々の向こうになって写真は難しい。テンは私たちを見下ろしながら森の中へ消えていった。

花いろいろ

photoギンラン
ギンラン

photoジンヨウイチヤクソウ
ジンヨウイチヤクソウ

photoミヤコナルコユリ
ミヤコナルコユリ

photoコウリンタンポポ
コウリンタンポポ

さて行こうか。昨日と全く同じ道ではつまらない。古墳の方に回って行こう。草のかげにギンランがまだ咲いている。モミジイチゴの実が膨らんできたが、小さくて緑色だ。「これがオレンジ色になれば食べられるよ」と言うと、友人は写真で見たことがあると言う。木苺の中では最も美味しいと言われている。

photo変形菌マンジュウドロホコリの未熟子実体
粘菌マンジュウドロホコリの未熟子実体

photo10粘菌タマツノホコリ
粘菌タマツノホコリ

そして切り株の上に粘菌を発見。いよいよ粘菌が活動を始めたかと夫は嬉しそう。他の木の影を見て歩いたが、粘菌はなくマガタマハンミョウが動いていた。一見地味な色だが、よく見ると七色に光っているところがある。歩いていると木の枝に小さな蜘蛛の巣があるので気をつけながら行く。巣の中心にいるのは銀色に光る小さな蜘蛛だ。綺麗な色なので名前を調べたら、なんとギンメッキゴミグモ。可哀想な名前だね、本人(本グモ?)は知らないだろうけれど。

photo11光る虫たち,ギンメッキゴミグモ,マガタマハンミョウ
光る虫たち

photo13地附山山頂にて
地附山山頂にて

山頂からは今日も飯縄山が見えない。ナツハゼの花を見てからモウセンゴケ群生地に行ってこよう。小さなモウセンゴケに目を近づけて見ると、蕾がくるくる丸まって出番を待っているのが分かる。粘液を出す葉には黒い虫らしいのがくっついている。自然界には本当に様々な工夫が隠れていて面白い。

photo14ナツハゼ
ナツハゼ

ネバリノギランもノギランもようやく花穂を出してきた。ネバリノギランはまだ小さい花穂でも先端がちょっと粘ついている。友人も触ってみて頷いている。

photo15モウセンゴケ,ネバリノギラン
蕾が膨らんできた

photo16ヒメハギ
ヒメハギ

そして、ヒメハギがまだ咲き残っていたので大喜び。小さな、小さな花だけれど、綺麗な紫色と、独特なブラシのような先端が可愛らしい。みんなで覗き込んでいたら、ヤマさんが来て「何をしているの」。ヒメハギを指差すと「これが花なの?初めて見た」と感動している。

自然の中には本当に様々な驚き、感動が隠れている。豊かな自然を大切にしたいという思いを胸に刻んで帰路につく。友人と長野の蕎麦を食べ、駅に着く頃から雨がやってきた。




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