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地附山 733mに学ぶ (長野県)

2025年6月9日(月)


梅雨が近寄っているらしい。南の地方は梅雨入りしたという。気候のせいか、不摂生のせいかはわからないが、頭痛がする。こういうときは自然の中を緩やかに歩いていれば治るだろう。これは私だけの経験則だが、家でゴロゴロしているよりは良いだろう。

photo1ニガナ
ニガナ

駒弓神社に行ってきますと挨拶してからゆっくり登り始める。濃くなった緑の中にヤマツツジのオレンジ色が見える。ヤマツツジの花は明るいオレンジから濃い朱色のようなものまで個体差が大きい。花の大きさもさまざまだ。足元にはニガナがたくさん咲いている。地附山にはハナニガナが多かったような気がしたが、登り始めはニガナの群生が綺麗だ。

photo2ハナニガナ
ハナニガナ

photo3イチモンジチョウ
イチモンジチョウ

花が咲き出すと、昆虫の動きも賑やかになる。今日はイチモンジチョウにたくさん出会った。動くものはなかなか写真が撮れないのだけれど、時々彼らも疲れたのかあまり動かないで日向ぼっこをしているようなことがある。

ニガイチゴの実が目に入るが、まだまだ緑に包まれている。モミジイチゴはずいぶん膨らんでオレンジ色に光っているものもあるが、食べて美味しくなるにはもうちょっと時間が必要かな。森の中に時々白く光るような花穂が見えるのはサワフタギ。小さな花を開き始めた。葉の先が細く尖って、鋸歯が荒いからタンナサワフタギだろう。時々シロシタホタルガの幼虫が葉を食べている。

photo4モミジイチゴ,ニガイチゴ
木苺が実ってきた

photo5タンナサワフタギの花とシロシタホタルガ幼虫
タンナサワフタギの花と幼虫

ガマズミの実がちょっと膨らんできた。赤くなれば艶々と輝くのだが、緑でも光っているようだ。大きい葉で葉脈がゴツゴツしているミヤマガマズミと、小さな葉がビロードのような触り心地のコバノガマズミ。どちらも今はまだ緑だ。

photo6ミヤマガマズミとコバノガマズミの実
ガマズミの実が膨らんできた

今日はまず先日見たサイハイラン、そろそろだろうサルナシ、それから粘菌が出てきていないか。頭の中で指折り数えて歩いている。時々くる頭痛を忘れるために目的を決めてゆっくり歩くのはいい感じ。

サイハイランがしっかり花開いている様子を見て歩き始めたら、男性がやってきた。私の挙動不審な動きに思わず口が開いたというふうに「お花ですか」。時々出会うが、挨拶だけ交わして話をしたことがない男性。はいと頷く私に「この辺ではどんな花が咲くのですか」と聞く。さっき見たばかりのサイハイランを紹介するとその地味な姿に驚いている。

photo7エゴノキ,ヤマツツジ,サイハイラン,ミヤマナルコユリ
出会った花たち

男性と別れて粘菌がいそうな道を行く。途中六号古墳のあたりはミヤマナルコユリがたくさん咲いている。花は白くて綺麗なのだが、葉の下に隠れるように下向きに咲き、しかも全開しない筒形だから咲いているのか蕾なのか分かりにくい。

活動し始めた粘菌

photoタマツノホコリタマツノホコリ
タマツノホコリ

photoタマツノホコリ
タマツノホコリかな

photoマメホコリ
マメホコリ

photoマメホコリ終盤
マメホコリ終盤

さて、ようやく粘菌の姿も少し見えてきた。マメホコリ、ツノホコリの仲間がいち早くあちらこちらに顔を出している。近くには小さな蝉の抜け殻が並んでいる。そして白い毛の塊のようなものがたくさんあった。塊には小さな羽がついているようだ。虫がカビに取りつかれてしまったのか、それともこういう生き物なのか、またまた宿題だ。

photo9粘菌らしいが
粘菌らしいが

photo10抜け殻,カビが着いた虫?
森の中には宿題がいっぱい

山頂に到着、飯縄山が霞んで見える。今度はサルナシを見に行こう。そろそろ咲いているのではないかという予測は大当たり。淡いクリーム色を隠したような白い花びらに黒い葯の花はちょっとゴツいけれど、たくさん集まって咲いていると見事だ。ツル性なので見上げると傘のように広がってたくさんの花をつけている。でもこれは雄花。サルナシは雌雄異株なので雌花を探そう。近くの道の脇に雌花も咲いていた。

photo11サルナシ雌花
サルナシ雌花

photo12サルナシ雄花
サルナシ雄花

今日の目的の花々を見たので帰ろうか。ゆっくり歩いていたので思ったより時間がかかった。森の中を回って物見岩に降りよう。ふと目の前を何か飛んだ。キビタキの雄だ。鮮やかな黄色が目立つ。木々の葉が茂ってくると小鳥の姿は見えにくくなるから、こういう出会いは嬉しい。気をよくして道を急ぐ。

photo13キビタキ雄
キビタキ雄

photo14ネジキの花の下で
ネジキの花の下で

そうだ、そろそろネジキが咲くのではないか。足取りが早くなる。ソヨゴはまだ蕾だが、ネジキが咲いている。咲き出した純白のネジキを見ながら歩いていると、物見岩の方から人声がする。オレンジ色の制服を身につけてカラビナを腰にぶら下げた人たちがたくさんいる。救助隊の訓練らしい。そろそろ正午だから、お昼休憩なのだろう。

挨拶をして、物見岩の風景を撮り、私は下に回る。すると下にも人が多い。この人たちはロープをつけて登っている人を見上げている。ロープは何本か取り付けてある。見上げている人に聞いたら「アウトドアの専門学校の生徒です」との答え。家に帰って夫と「そういう学校があるって知らなかったね」。

photo15物見岩を登る人
物見岩を登る人

そのあと、今年初めてのムラサキホコリを見つけた。翌日の朝散歩で早速見に行った夫が「サビムラサキホコリだね」。山へ行く楽しみが膨らんでくる。

サビムラサキホコリ1日の変化

photoサビムラサキホコリ
サビムラサキホコリ1 6/9

photoサビムラサキホコリ
サビムラサキホコリ1 6/10

photoサビムラサキホコリ
サビムラサキホコリ2 6/9

photoサビムラサキホコリ
サビムラサキホコリ2 6/10




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