あれ、起きると雨の音?窓を開けると空はどんよりしているが降ってはいないみたいだ。でも雲が厚い。天気予報は晴れだったのに・・・。長野は雪らしいから雲が広いのだろうか。
友人と朝ごはんを食べながら今日の計画を練る。計画といっても友人任せの私、雨っぽくても歩きやすいところへ行こう。事前の花散歩でコウヤボウキの花や色々な実を見つけたという横浜自然観察の森へ行ってみることにした。
小さな傘を持って出発。友人にお任せで自然観察の森の駐車場までは思ったより近かった。傘をさそうか迷うような雨粒が落ちてくる中、歩き始める。センニンソウの実が綿毛を揺らしているのを見ながら少し登る。
今日はイベントなのか炭焼き小屋のあたりに人がいて、火の匂いがしている。ほのかに流れてくる炎の匂いを嗅ぎながら歩き、道端の枝に絡まるトキリマメを発見。赤いさやが弾けて黒い実がぽっこりとくっついている姿はひょうきんで面白い。そっくりなタンキリマメとの違いは一番わかりやすいのが葉。昨日山の帰りに以前見つけたところでもう一度睨んできた。別々に見たら違いがわからないほどだが、並べて見るとその違いが見える。
自然観察センターに寄って、情報を得る。今咲いている白い野菊はシロヨメナとある。アザミはタイアザミか。似た花がとても多いものは教えてもらえると嬉しい。
センターの前にはススキが茂っている、もしかして晩夏にはナンバンギセルが咲くのかな。その脇にはコクサギの実が四つ並んでついている。まだ弾けるまでには時間がかかりそうな青い若い実だ。
近くの広場にはダイコンソウがたくさん咲いているが、近づいてみると花びらが八重になっているものが多い。友人が前に来た時にも八重咲があったそうだが、私は初めて見た。ちょっと豪華なダイコンソウだ。
森の中の道をゆっくり登って行くと、キチジョウソウの群れがあった。全体に大柄だ。濃い緑の葉は縁がボロボロだが、これは誰かに食べられたのだろうか。花も見事に開いてそろそろ終盤に差し掛かろうというところ。昨日二子山で見つけた花より一回り大きいような気がするが測ってみないからわからない。
尾根道に出て進むと、「大丸山(おおまるやま)」の看板がある。横浜市最高峰とある。正確には156.8m。だが最高地点159.4mは鎌倉市との市境の尾根上になるらしい。何度か歩いた天園の近くだ。
最高峰と最高地点・・・ちょっと首を捻りながら、私たちは最高峰に登ることにした。山頂からは横浜方面の展望が開ける。今日は霞んでいるので東京湾がぼんやりしている。昨日歩いた二子山のスカイラインが近い。
大丸山からさらに進む。すでにこの辺りは金沢市民の森だ。花の季節に来たかったと話しながら探したのは、シロバナハンショウヅルの実。ところどころでフサフサした毛をくるりと丸めたような実を見つけることができた。
日当たりが良いところではまだヤクシソウやシロヨメナが咲いている。一株見つけたツワブキは、花びらがやけに細くてちょっと寂しそうな感じだ。種類が違うのだろうかと思ったが、ツワブキの花には色も形も何種類かあるらしい。
そしてドキドキしながら辿り着いたのはコウヤボウキの小さな群落。あ〜、でももうほとんど花は終わってしまったね。たくさんの茶色に縮んだ花穂が茎の先端で揺れている。ちょっとでも咲き残っているのはないかと、友人と二人で目を凝らす。なんとかまだ白い花びらが残っているのを見つけた。先端がくるりくるりと丸まっている。素敵だね。友人が見つけた時はたくさんの花が最盛期で美しかったそうだ。時期はズレてしまったが、それでもこうして元気に咲いている姿を見ることができて嬉しい。
時々思い出したようにぱらついていた雨は上がったが、気温は低い。円海山周辺の緑地はまだまだ続いているが、今日の山歩きはこの辺までとしよう。来た道とちょっとコースを変えて戻ることにした。
ノシランの青い実を見たくて探していたが、なかなか見つからない。昨日見たナガバジャノヒゲとそっくりな葉のナキリスゲがたくさん茂っている。秋に花を咲かせるスゲの仲間で綿毛のようなものがついている。
ナツボウズが小さな蕾をつけている。春一番に黄色い花を咲かせるだろう。次はいつ来ることができるかわからないけれど、きっといつ来ても何かしら発見が待っているだろう大きな森だ。また来るねと呟いて車に戻った。