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久しぶりに歩く衣笠山 134m(神奈川県)

2025年12月4日(木)


今日は長野に帰る日。昨日の午後から晴れた空は今日も真っ青だ。帰る前にもう一ヶ所一緒に歩いてこようと、張り切っている。やはりお天気が良いと気分も晴れるようだ。 行き先は横須賀市にある衣笠山(きぬがさやま)。三浦一族の山城、衣笠城の跡も残る一帯だ。今は衣笠山公園として整備されている。

近くに住んでいた頃は何度も歩いたところだ。衣笠城址を越えて大楠山に至る道は懐かしいが、今はその鞍部を立派な道路が走り、山道は遮断されているそうだ。私たちはその立派な道を走って車で公園の駐車場まで上がる。以前は下から歩いたし、友人も前に来た時は衣笠駅から歩いて登ったそうだが、今日は帰りの時間も気になるので車で上がった。

赤い実

photoセンリョウ実
センリョウ実 12.4

photoセンリョウ実
センリョウ実 12.4

photoマンリョウ実
マンリョウ実 12.3

photoヤブコウジ実
ヤブコウジ実 12.3

何度も来たはずなのに、私の記憶からはすっぽり抜けている。駐車場のあたりは歩かなかったのかもしれない。ツワブキが今を盛りに咲いている斜面をゆっくり登っていく。公園は草刈りの真っ最中。管理の人たちが一服しているので、目ざす花(今は実だけれど)はどこか聞いてみた。すると、「刈っちゃったよ」との答え。え〜っ。でもまだあるかもしれないのはあそこかなと、教えてくれたところへ行ってみることにした。

photo2ツワブキも色々
ツワブキも色々

photo3棘が鋭いタイアザミらしい
棘が鋭いタイアザミらしい

photo4ハキダメギクとウシハコベ
ハキダメギクとウシハコベ

一回降って子供広場に向かう。昨日覚えたノシランは道に覆い被さるように元気だ。薄緑色の実がたくさんついている。このたくさんの実がみんな青く光ったら綺麗だろう。残念ながら私には見られない。友人に「見といてね」と言うと「見とどける」と笑う。

出会うと嬉しい実りの姿

photoヤブミョウガ
ヤブミョウガ

photoスズメウリ
スズメウリ

photoノシラン
ノシラン

photoウラシマソウ
ウラシマソウ

photo6ツルギキョウ
草刈り後に出てきたツルギキョウ

私たちはゆっくり森との境目を見て回ったが、目的の実は見つけられなかった。紫色の小さな実、ツルギキョウ。刈り取られた斜面に新しく伸びたらしい葉があったが、これは来年まで待たなければ花が咲かないだろう。

がっかりしながら、それでも他の場所はどうだろうと公園の最高地点に向かって登っていく。右下に沢を見下ろして行くと青く光るものが横切った。カワセミ、魚を咥えている。カワセミは魚を飲み込んだ後、水面に張り出した木の枝に止まってじっとしている。

そう言えば昔は衣笠近くの川にカワセミやゴイサギの姿をよく見たっけ。私たちはしばらく美しいカワセミを眺めてから再び歩き出した。

カワセミ

photoカワセミ

photoカワセミ

photoカワセミ

photoカワセミ

道沿いにはオカダイコンの花がポツリポツリと開いている。シロヨメナらしいキクの仲間も咲いているが、タツナミソウの花はもう終わっている。ツワブキの花を見ながら展望塔に向かう。上から降りてきた人が「富士山が見えていますよ」と嬉しそうに教えてくれる。

オカダイコン

photo8オカダイコン

photo8オカダイコン

photo8オカダイコン

photo8オカダイコン

展望塔に上がると、記憶の奥に眠っていた絵が蘇ってきた。そうそう、こんな図が描いてあった。衣笠山公園は「日本さくらの名所100選」に選ばれているそうだ。子供たちが小さい頃花見に来たこともあったのを思い出した。

photo9衣笠山公園は桜の名所
衣笠山公園は桜の名所

この季節にはさすがに桜はないと思ったが、おっと、冬桜が咲いていた。2種類の冬桜はどちらも華奢な花の姿が愛しい感じの花だった。そして驚いたことにその一つは遠く新潟県から運ばれてきたそうだ。

photo10コバザクラ(冬桜)
コバザクラ(冬桜)

photo11穂咲彼岸八重桜
穂咲彼岸八重桜(新潟県五泉市から)

展望塔からは東京湾が青く静かで、空の青と溶け合うように美しかった。富士は雲に隠れて山頂部のみが浮かんで見えていた。友人は逗子の海辺から雄大な富士を眺めるのが日常だから、これではちょっとがっかりかもしれない。

photo12富士と夏みかん
富士と夏みかん

東京湾をバックに記念撮影をしてみたが、青い空と海ではなく青い塔の柵が輝いている。展望塔は昔のままの絵が残っているが、周囲の青は綺麗に塗り替えられたようだ。

下の広場まで降りておやつを食べよう。ベンチに座り、海の青に見惚れながら煎餅を食べ始めると、大きな影が舞い降りてくる。トビだ。近くのベンチではお弁当を広げている人もいる。私たちは煎餅を手のひらに包みながら食べたが、お弁当の人も上手に隠しているのかな。トビはピーヒョローと鳴きながら大きく旋回して時々電柱の上に止まる。美味しいものはないかとその良い目で見ているのだろうか。

photo13衣笠山展望塔から東京湾
衣笠山展望塔から東京湾

photo14展望塔は昔のまま(19970413)
展望塔は昔のまま

さて、帰ろうか。今日は長野まで帰らなければ・・・。見たかったツルギキョウの実を見つけることができなくて残念だったけれど、新しい葉を見つけることができたから、来年の花の季節には見られるかもしれない。また一緒に見にくることができるといいな。

ゆっくり降りて行くと爽やかな香りがする。見上げるとギンモクセイらしい白い花。大きな木だ。友人と二人でしばらく花の香りを楽しんでから車に向かった。

photo15トビは何を狙っているのか
トビは何を狙っているのか

photo16爽やかな香りのギンモクセイ
爽やかな香りのギンモクセイ




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